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貝塚遊郭 -大阪府-

大阪の南西、泉南地域にある「貝塚遊郭」跡を散策してきました。

貝塚遊郭は南海貝塚駅(大阪市内から急行で約30分)から徒歩2分位のところにある、いわゆる「駅前遊郭」です。

このあたりは昔は紡績業の街として非常に栄えていて、「東洋の魔女」と呼ばれた日紡貝塚女子バレーボールの本拠地。

しかし今は紡績業も衰退して、静かなベッドダウンという印象。ご老人が多くて、日本の高齢化社会の行く末を垣間見ることができます。

貝塚遊郭は非常に保存状態の良い遺構が多いです。売防法(33年)が施行されると、大抵はそのまま放置され、取り壊され…という運命を辿るのですが、駅に近いという地の利を活かして、そのまま飲食店や事務所、個人宅として活用されているからかもしれません。

さらにカフェー建築も多いです。個人的には歴史を感じさせる古い妓楼よりも艶やかなカフェー建築のほうが好きなので、この街の散策は非常に楽しいものでした。

では、2016年8月現在の様子を見てみます。

一つ目はこちら(地図①)

一階は一部が改装されてシャッターがついています。改装前は左のアーチ状の装飾が続いていたんでしょう。二階窓もモダンですね。現在は近くの飲食店の倉庫として使われているようです。

2つ目は「割烹深川」(地図②)

旧貝塚遊郭当時からあるという料理屋で、現在も高級料亭としてお偉いさんが利用しているようです。

こちらはいかにもなカフェー建築。10列の黒い豆タイルの縦の出っ張り、入り口の周りも艶やかなピンクのタイルで覆われています。(地図③)

一見、普通の個人住宅のようですが、2階を見るといくつかの方形タイルを組み合わせた飾りがついています。(地図④)

法律事務所として利用されている元遊郭建築ですね。保存状態が良いです(地図⑤)

入り口のアールがついた曲面が素晴らしいカフェ−建築。(地図⑥)

こちらも妓楼だったんでしょう。一階の近い場所に入り口が二箇所あるのが特徴です(地図⑦)

こちらは会社の事務所として使われているようです。素晴らしいファサード。(地図⑧)

こちらは理容スガヤさん。妓楼だった建物を改修したのがわかります。(地図⑨)

 

 

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