丸亀 福島遊郭 -香川県-

丸亀駅北側には2つの遊郭が隣り合っていたと言われてます。「新堀遊郭」と今回ご紹介する「福島遊郭」です。この2つの遊郭は場所的にも非常に近いんですが、丸亀駅により近いほうがこちら。近いというか、駅の目の前です。岐阜の金津園みたいな「駅前遊郭」ってやつですね。

「全国遊廓案内」によると、このあたりは船頭や旅人相手の私娼街だったものが、明治20年頃に貸座敷16軒、娼妓120人の福島遊郭になったとされています。

当時の繁栄はどこにいってしまったのか、現在、この周辺は空き地や廃墟化した空家が多く、地方都市の衰退を目の当たりにします。どうなっちゃうの日本。

では、早速散策してみましょう。

丸亀駅から徒歩20秒で現れる見事なカフェー建築。なかなかの大店。さらにこの近くには「津坂洋服店」という、負けず劣らずなカフェー建築があったのですが、既になくなっておりました。(地図①)

だいぶ凝った意匠のステンドグラス。帆船と▼マークの組み合わせがモダンですね。

菱形の意匠の中にも異なるタイルが散りばめられています。美しや…

そのまま西の方に歩くと見えてくる「一寸島神社」(地図②)

鳥居を潜ると、廃墟のバラックが立ち並び、異様な光景。映画のセットみたい。(地図③)

振り返って本堂側から鳥居方面を見る。夜だったら怖すぎて来れません。

その廃墟バラックの中に突然現れる「DENNIS RODMAN」の文字。バスケに憧れた少年がいたんでしょうか。それにしても血文字っぽい色なんで怖いっす。

一寸島神社の鳥居すぐそばにある「末広旅館」。転業旅館なんでしょうか?(地図④)

末広旅館の入り口。独特の意匠が残っていますね。

廃墟になっていますが、こちらも遺構っぽいですね(地図⑤)

港の近くにある建物も渋いです(地図⑥)

歴史を感じさせる建物がちらほら残っていますが、いつまであるのやら…(地図⑦)

今にも倒壊しそうな遺構。(地図⑧)

こちらも当時のものですね(地図⑨)

なんてことない建物っぽいですが、中央に煉瓦で囲まれたドアが…気になります(地図⑩)

これはオツなカフェー建築ですね。横須賀の安浦にも似たような建築物がありました(地図⑪)

ドアに斜めの手摺がついていたら100点でした。

向かいにある酒屋?倒壊寸前ですね。(地図⑫)

丸亀の北口は新堀遊郭の「駒春」はじめ、特徴あるカフェー建築が残っていました。が、街の寂れ具合がハンパないので、それらもいつまで残っているのか心配です。取り壊される前に、見ておくことをおすすめします。

丸亀を去った私が次に向かったのは、JR四国の土讃線の起点「多度津」です。次回は多度津にあったという「東浜、西浜」の遊郭跡を紹介します。

 

 

 

丸亀 福島遊郭 -香川県-” への1件のフィードバック

  1.  いつも拝見しています。趣きのある記事をありがとうございます。このエリアを歩いてみました。時間がなかったのでさらりと回っただけでしたが、おっしゃっているように街全体が朽ちているような印象で異次元な空気感でした。大きな駅の駅前なのにこの寂れようはびっくりです。ですが、帆船と▲マークのステンドグラスのカフェは立派に現存していて、よい写真が撮れました。かつての華やかだった時代が想像できる気がしました。
     再開発の波に洗われると遺構は消えてしまうし、かといって街が遺棄されたような状態も切ないし、難しいですね。これからも、UPしてくださるお写真で遊郭文化の残り香を楽しませていただきます。ありがとうございました。

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