香川県琴平にやってきました。
琴平と言えば、“こんぴらさん”こと金刀比羅宮の総本宮がある場所です。
金刀比羅宮は海上交通の守り神として信仰されていて、漁師、船員など海事関係者の崇敬を集めている場所でもあります。
門前町の琴平町には多くの土産物屋が並んでいます。参道は江戸時代には金毘羅街道と呼ばれ多くの燈篭が備えられ、丸亀や多度津の港は参道口として栄えていたようです。
「門前町あるところ遊郭あり」
ということで、この地にもやっぱりありました。琴平町を縦断するように流れる金倉川の一之橋手前にあるアーケードの商店街と琴電琴平駅の間に「琴平栄遊郭」があったと言われています。
昭和5年の「全国遊郭案内」によれば、当時貸座敷は28軒、娼妓は111人。「よるの女性街・全国案内板」によれば
「森の石松が泊まったという虎屋という宿までが残っている遊興の街。赤線は橋を渡り和田邦坊の絵で有名な菓子屋『へんこつ屋』の裏一帯。50軒に170人程度。」
と書かれています。
本来であればこんぴらさんに参拝したいところですが、次の目的地「丸亀」「多度津」に行かなければならず、滞在が許される時間は30分。駆け足で色街の残影をファインダーに収めていきます。
JR琴平駅全景。趣のある建物です。提灯はこんぴらさんのマークである“◯に金”。
遊郭といえば、お決まりなのが稲荷神社。性病(梅毒)の予防に稲荷が効果があると信じられていおり、遊女たちには大切な施設だったようです(地図①)
稲荷神社近くにあるソープランド。営業してるんだろうか。廃墟・・・?(地図②)
屋号が「サン・シャイン」なのか「ブラジル」なのかわからないけど、ファサードの上部にはカフェー建築っぽい意匠が。(地図③)
普通の建物っぽいんですが、なんとなく違和感を感じる建物。タイルあるし、必要以上にドアが多い気がするし…(地図④)
上の建物の向かいにあるこの建物も作りがそれっぽい。青紫色は新鮮。(地図⑤)
アーケード商店街に通じる小道。この先にオツなカフェー建築が。(地図⑥)
全面白黒のタイルで覆われている建物。中から新年会?なのかワイワイ騒いでいる声が聴こえるので、まだ使われている建物なんでしょうね。タイルいいわ〜(地図⑦)
洋を感じさせるタイルと、和の障子の融合。これこそ和洋折衷です。
白黒タイルの建物を抜け、アーケード街に出るとすぐに見えてくる「へんこつ屋」(地図⑧)
思い出して下さい。
「よるの女性街・全国案内板」によれば
「森の石松が泊まったという虎屋という宿までが残っている遊興の街。赤線は橋を渡り和田邦坊の絵で有名な菓子屋『
へんこつ屋』の裏一帯。50軒に170人程度。」
と書かれています。ここがその「へんこつ屋」でした。まだ残っていることに感動。
短い滞在時間でしたが、いい感じのカフェー建築が残っていて来た甲斐がありました。
さぁ、電車の発車ベルが聞こえてきました。
次の目的地は「丸亀」。現存するカフェー建築ではトップ3に入る美しさを持つ、アノ建物を見に行きます。