JR高松駅から琴電琴平線に乗り、2駅目「片原町駅」で降りると、駅前には時代から完全に取り残された一角が広がっていました。当時は「パラダイス通り」と呼ばれた赤線地帯です。
全国女性街ガイドによれば「繁華街の片原町裏に三十軒ほど」の店があったと書かれています。
写真を見てもらえばわかりますが、とにかく激渋な空間が駅から徒歩10秒の場所に広がっていて、胸が高鳴ります。
建物は一部を除いてほとんど空き家。その空き家も長い時間をかけて朽ち果てている死んだ空間。しかしここで目を閉じ、耳を澄ますと聞こえてきます。
ほろ酔いの男たちの楽しげな声と春を売る女たちの甘美な囁きが。
それでは、この赤線地帯の残影を見ていきましょう。
「パラダイス通り」のメイン通りであり、最も激渋な空間。(地図①)
「順子の部屋」って屋号がまた渋い…(地図②)
「順子の部屋」の向かいは壁の一部が崩壊して部屋の中が見える。(地図③)
こっちも大変な状態になってますね(地図④)
よく見ると赤線の残り香を感じさせる意匠が。
年代物の手書き商業地図。「子子子」って何て読むんでしょう?三つ子?(地図⑤)
その商業地図がはられている建物自体も赤線建築っぽいですね(地図⑥)
現在は洋食&居酒屋のこのお店、よく見ると入り口はタイルで囲われています(地図⑦)
奥には丸窓が。カフェー建築を流用しているのでしょうか?(地図⑧)
激渋「片原パラダイス通り」を後にした私は、隣駅の瓦町へと足を進めました。ここも噂では商売が今も行われているとかいないとか…